2012/09/18

得するのは、だぁれ?

尖閣諸島はどちらの領土?という事で,
日本が購入する動きを見せたり
それに反発する中国側の声が、
反日デモという形で報じられたりしています。

日本の報道の中には、
「尖閣は自衛隊に守らせるしかない」
「憲法9条を変えて、国防軍を持つべきだ。
そうでもしなくては、日本は守れない。」等が
散発しているようです。
(近年は、日本の政治家も、多くが上記の主張を
しており、自民党も、維新の会も、
そして、今やほとんどの政治家が
「9条を変えて、自衛隊は国防軍に変える」と
堂々と主張しています)

そして、近年は
自衛隊が、
アメリカや他国の軍隊と共同訓練を、
今までなかった規模で
どんどん行っています。

が、ここはひとつ冷静になって、
大きな視点でこの問題を捉えてみる事が
大切だと思います。

決して拙速な判断はせず、
じっくりと今後、日本はどう対処していけばよいのか、
考えていくことが得策だと思います。


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今回、参考にしたい一要素として、
軍事評論家の前田哲男さんの
「在日米軍基地の収支決算」前田哲男著 ちくま書房
を開いてみたいと思います。


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さて、上記の本によると・・

日本とアメリカの間で、
1996年以降、日米間の防衛協力について
の指針がまとめられた【ガイドライン】の見直し
が、行われた。

その際、1997年6月に、
アメリカの、キャンベル国防次官補代理が、
訪米した日本の代表
(当時の与党三党の政策責任者であった、
自民・社民・さきがけ)に会談中、
以下の旨を発言したとされます。

5つの新たな脅威について。」

※上記に使われている「新たなという言葉
の意味。つまり、この背景には、
当時、アメリカとソ連の間で冷戦が終了し、
「新たな仮想敵国」を想定した上での、
新たな日米間の結びつきを、具体的に協議していた段階だったという事。)


さて、アメリカ側が日本に持ちかけた、
上記の「5つの新たな脅威」とは・・?
以下、前田哲男氏の著書から、一部引用させて
いただきます。

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~(以下、P39に明記)

①北朝鮮の不安定要因
②中国・ロシアの接近
③中国の軍事大国化
④中国と台湾の不安定な関係
⑤東南アジア(諸国)の軍事費増大

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ご覧の通り、5つの脅威のうち、中国への脅威が3つも
占めている。
上記が提示された1996年、
つまり今からさかのぼって、約16年前
から、アメリカは中国への脅威に対策する事
の重要性を、鑑みて、日本側に防衛協力を
持ちかけている。

以下は、上記「5つの脅威」の内容についての、
前田哲男さんの所感。

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(P40 最後から2行目~一部抜粋。)

~(略)~
とくに五項目中三つまで「中国の脅威」で占められている
ことからもわかる通り、当面は北朝鮮の動向に
最大の関心を払いつつも、中・長期にわたっては中国を
睨みながら安保運用の拡大を迫っている。
アメリカの意図はそこにあると受け取るのが妥当だろう。

ここに「新ガイドライン」以後の日米安保協力に
与えられた“真の目標”が設定されているのである。
同時に、そこから自衛隊の「後方地域支援」という
新任務と在日米軍と基地の今後の方向性が
導き出されるのはいうまでもない。

(注※安保 ―― 日米安保条約の略)
(以上、抜粋おわり)

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さて、上記の前田氏の読みが正しかったとすれば、
粛々と、「対中国」防衛政策が長期にわたって
行われてきたはずであり、
今は「来るべくして来ている」事態なのかもしれないですね。


さて、ここで考えてみたいのは
「もし中国と戦争して、誰が戦争に行くのか?」
ということ。
そして、
「誰が得をするのか?」
ということです。

(  ↑ ↑ さて、皆さんは、どう思われますか?^^;)

そもそも、「外交」とは何の意味があるのか?
「戦争しない為に、外交」という大切な任務が
あるはずなのですが、
必要な「外交努力」を
野田首相は、強く行う心づもりは
あるのでしょうか?

それ以前に、今まで、対中国への
外交努力は、十分に、されてきたのでしょうか?

あれだけ、中国の世論が怒っているという事態は、
一体、どういう事なのでしょうか?
今回のことは
「一種の、日本の外交失敗」でもあるという一側面
を、日本の政治家の皆さんは
認めざるを得ないとは、言えないのでしょうか?

中国の「反日感情」が長年にわたって
醸成されてきている、
その根本を、見据えたうえでの
忍耐強い、外交努力は必至だと思うのです。

中国が怒る背景は、
単純な「領土欲しさ」にあらず。
長い日中間の歴史的事実が尾をひいているのは
明白です。何も、ひとときの感情・それだけで、
あの事象が起こっている訳ではないのであります。
(もちろん、だから中国は何をしてもいい、と
言っている訳では、ないです。念のため。)


この繰り返し起こってきた
日中間の軋轢は、
忍耐強く
誠意ある態度で、
話し合いを繰り返していく事でしか
解決は、ないのではないでしょうか?


私が「先の戦争の体験者」の方の
お話を聞いていて、
いつもじんわりと恐ろしくなるのは、

「戦争というものが、
決して、偶然に他国との摩擦で勃発している
訳ではなく、
それ以前の、より平和だった時代に、
粛々と
法整備を行い、
人を配置し、
計画的に
戦争へ向かう焦点を絞り、
準備している人たちが存在している、
そんな時代が、歴史の中に横たわって存在している、
という事実を知らされる時だ。
そして、「戦争で潤う人々も、当然生まれます。」


今こそ
情報に踊らされる事なく、
情報を識別(リテラシー)し、
大切なものは何なのか?

常に自身の頭で考えて、選択と行動を
してゆくことが
本当に重要なときだと思うのであります。

そして、同志たちが、暖かい心で
今、手を繋いでいきまっしょい。
もう2度と、過ちは繰り返したくないのであります。


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