粉ミルク国内最大手の明治は
六日、生後九カ月以降の乳児向け
粉ミルク「明治ステップ」(八百五十グラム缶)
の製品の一部から一キログラム当たり
最大三〇・八ベクレルの放射性セシウム
を検出したと発表した。
国の暫定規制値(同二〇〇ベクレル)は下回っており、
厚生労働省は「健康に影響はない」
としている。
同社は約四十万缶を無償交換する。
東京電力福島第一原発事故後、
粉ミルクからのセシウム検出は初めて。
これまで厚労省や自治体が行った
食品の抽出検査では、
粉ミルクは対象となった三十二検
全てで検出限界値未満だった。
同省は食品中の放射性物質の規制値
見直しの中で、粉ミルクなど
乳幼児用食品についても、新たに
規制値の設定を進めている。
同社の粉ミルクは、埼玉工場(埼玉県春日部市)
で製造している。
交換対象となるのは、賞味期限が
二〇一二年十月三~六日と、同月二十一~二十四日の製品。
加工されたのは今年三月十四~二十日で、
原料などを溶かした水に熱風を当てて
乾燥させた際、大気中のセシウムが
混入した可能性が高いという。
熱風は、異物を取り除くための
フィルターを通して外気を取り込んだ後、
そのまま高温にしている。
原発事故の後、関東の大気中の放射線量
が最も高かった三月二十一日の製造分を検査したが、
不検出だったため
「すべての粉ミルクでも不検出と判断した」
(広報部)と説明している。
対象の製品は四月中に缶に詰めて出荷。
十一月下旬になって自主検査をした購入者から
「放射性物質が検出された」と指摘を受け、
同社で検査したところセシウムが確認された。
原料の脱脂粉乳などは、
大半を米国や豪州などから輸入しており、
一部が北海道産だが、いずれも東日本大震災前に生産。
製造過程で使う水からも放射性物質は検出されておらず、
同社は製造段階が原因とみている。
問い合わせは同社お客様相談センター
=フリーダイヤル(0120)077369=へ。
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上記で、