2009/08/27

笠井さん


約1年前に、訪問した笠井さん。
笠井さんは、16歳で、飛行予科練習生に志願されました。
いわゆる特攻攻撃のための訓練を毎日続けられ、
訓練内容は「辛いなんてものでは、なかった」と、当時を振り返り、大きな声で強調されました。
訓練中は、歩いた記憶がなく、すべて「駆け足」の状態を強いられたといいます。

ちなみに、以下は、訓練(授業 含む)の内容です(参考 http://www.town.ami.ibaraki.jp/kankou/yokaren/yokaren.htm より)
修身、国語、漢文、算術、代数、幾何、三角、物理、化学、地理、歴史、英語
運用術、航海術、砲術、水雷術、通信術、航空術、機関術、,整備術、電測術
柔道、 剣道、水泳、銃剣術、相撲、体操,サッカー、バスケット、バレーボール、ラグビー
等々・・・  ひしひしと、過酷でハードな日々だったことが、伝わってきました。

「次はわしや。次こそわしや。」と覚悟を決め、出撃のために、日々の訓練をただ繰り返しこなしたという。
笠井さんは、言いました。
「今のイスラムの自爆テロの気持ち、わしは、ある程度、理解できる」
戦時の教育で、国全体・みんなが、そういう境遇になっており、喜んでそれに志願する。
そういうところに、追い込まれてしまう。それしかない時代

「2010年の5月以降に行われる9条改正の国民投票について、
私は危機感を持っているのですが・・・」ときりだしたところ、
間髪いれずに「わしも、そう思う」と返ってきました。
「もうそこまで、火の粉は見えてるけど、政府もあんな状態だし(今から一年前のコメントです)自分の身は、自分で、火の粉を振りはらわなければ、仕方ない。実際、私ら戦後世代は、焼け野が原になった日本で、裸一貫で、生き延びてきた。政府になんか頼れない」と静かだが、険しい表情だ。
私が、「笠井さんたちが通ってきた道を、もう一度日本が体験する気がして・・」ときりだすと、
また、間髪いれない返答。
「くるよ。このままでは、すまんやろ。何がくるかは、しらんけど。政府に頼らずにすむだけの術は、身につけておかなければならん。今の子は、今まで経験していない時代に突入している事に気づかなければならん。」と。(ワーキング・プアが多く生み出された現在の社会のシステム・一部の企業のやりたい放題な現状
を、ひとしきり、嘆かれた)
最後に、「日本がどういう国になれば、うれしいですか?」と聞いた。
「戦争がない、自由で束縛されん、報われる生活ができること」と答えが返ってきた。
戦時中は、まったく努力が報われない時代だったと、声を荒げる笠井さん。
死を覚悟して、日々、特攻訓練をされていた笠井さん。
たいへん考えさせられ、教わることが、多く、自身の甘さに気づかされもしました。
ありがとうございました。