2009/09/06

ニューギニアの戦いは、地獄だった

かねてから読みたかった、「地獄の日本兵 ~ニューギニア戦線の真相~」を読み終えました。
夢でうなされそうでした。今朝、裏の山を登山したのですが、木の幹に捕まりながら、息継ぎしながら登る斜面に、「ニューギニア戦では、こんなもんでは、なかった」と、想像すらできない恐怖が、じわ~っと内臓にしみこんでくるようでした。
兵士たちは、ひどい飢えの中、熱帯の野生の中を、蜘蛛や蝶、みみず、蛭まで、とにかく口に入れて、前進しなければならぬ、終わりなき、迷路の地獄を、生きねばならなかったようだ。
歩きながら、ばたばたと、こときれていく兵士たち。その地獄絵図は、人が一生の最後に舐めなければならない体験としては、あまりも、絶望に満ち、まさに「地獄」としか、言い表せないものだったのだろう。。

著書の飯田進さんは、ニューギニア島で戦った元兵士です。
当時20万人以上送り込まれたという日本兵のうち、生還者は、その1割に満たないといわれ、飯田さんは、その貴重なサバイバーだ。
飯田さんは、こう話します
「太平洋戦争の(ニューギニアに限って、ではなく)最大の志望理由は、戦死などではなく、餓死です。」と。
ニューギニアに関しては、100万人を超える兵士が、国のために徴兵され、食糧の補給も、計画的な戦術もないまま、大量に戦地に投入され続けた。9割以上が、餓死・病死で苦しみながら死んでいったと。
この本の中には、生還者の体験談をもとに、ありとあらゆる地獄が、再現されている。
そして、飯田さんは、死者の思いを、何度も、代弁するのだ。
「兵士たちはアメリカを始めとする連合軍に対してではなく、(地獄としか言いようのない)無謀な戦略を強いた日本の、大本営参謀をこそ、恨んで死んでいったのだ。」と。

私は、人間の罪を思い、この2日間、苦しくて仕方ありませんでした。それこそ、この本には、「生き地獄」が描かれていた。(それでも、体験された方・亡くなった方の思いに、到達することは、到底できないでしょうが・・)

そして、飯田さんが、現代を生きている私たち1人1人に語りかける以下の記述。簡略化させて引用させていただくと・・・
「防衛庁が防衛省に昇格し、憲法改正の国民投票が議論されているいまの日本。
最も求められているのは、60年前に行った大戦の真実と、それを隠してきた歴史を、しっかり検証すること」だと。


知れば知るほど、戦争は、哀しい。
我ながら、陳腐で情けないけど「悲しい」という言葉しか、今は出てこない自分がいる
ここ最近、集中して「魔法の9」のために、さまざまな資料を見てるけど
いいようのない悲しみに、息もつけないほど。
でも、全部、本当にあった事実だから、ちゃんと知って、かみ砕きたい。
深く息を吸って、 過去に学ぶ。
大切なことは
問題点を暴き出し、未来に繰り返さないこと。
「戦争をとめる ちから」を心に育てていきたいです・・!

http://www.book.janjan.jp/0905/0905193697/1.php(こちらも、参考になりました♪)
『地獄の日本兵 ニューギニア戦線の真相』を読んで(JAN JAN)