2009/09/03

戦争を止める力

 この夏、さまざまな戦争の跡を巡り、人に会い
 改めて実感させられました。
 「本当に戦争の跡は、風化してきている。。」と。
  
 戦争体験者は、今、2割をきったといわれます。
 日本人口の10人のうち、約9人は、この日本で戦争があった事実を、リアルには、知らない。(もちろん私も・・)

 こんなことが、ありました。
 
 探し当てた、ある戦争資料館で、1人しかいない館員さんに、
 展示資料について、質問させていただいたところ
 「いやぁ。。私も最近入ったばかりで・・」と
 資料を引き引き、少し自信なさそうに、説明くださいました。
 (戦後世代の方アルバイトなんですね)

 また、こんなことも。
 ホームページで見つけた「戦時の資料あり」の文を
 頼りに訪ねた、ある市の施設。


 職員さんに、「見当たらないようですが、どこに展示されてるんですか?」
 と尋ねると、「ああ!こちらにどうぞ」と
 倉庫になっている地下に案内されました。


 「すいません。これなんですが・・展示する場所がなくて、しまってるんです」と。
 それは、特攻に使った「回天」といわれる人間魚雷の
 錆びたエンジンでした。
 戦後、海底から見つかったとか・・
 十分、貴重なものなのですが、ビニールシートにくるまれて
 埃をかぶってました・・(^^;)

  
 忙しい、事務の手を開けて、
 突然の来訪者を、ニコニコと案内下さった市の女性職員さん。
 その笑顔を見ながら、つくづく

 「過去の戦争を、時代の彼方に忘れようとしてきた、私たちの日本社会」を
 改めて痛感させられました。

 
 今の経済社会と、
 過去の戦争の距離は、
 放っておけば、ますます風化を招くかのごとく。。。

  
 私は「小さくても、今、できる事を伝えなければ・・」という思いを
 新たにさせていただくとともに、この映画の目指すところは
 「戦争をとめる力となれる映画」だと思いました。


 私が子供のころ、大人たちは学校などで
 「こんな辛いこと・悲しいことがあった」という戦争「被害」を伝える
 映画や本を見せてくれました。
 それは、私に戦争の悲惨さを教えてくれた、本当に尊いものでした。

 
 が、大人になった今、周りを見渡せば
 「戦争はいけない」とみんな思っているにも関わらず、
 「では、なぜ、戦争を止められないのか?」という問題が
 イラク・アフガンを眼前に、立ちはだかっているように思います。
 (私たちの税金で、人殺しに加担しているわけです)
 「戦争はいけない」とみんなが、知っているにもかかわらず..


 そこで、「戦争をとめるための力」を、どう育てるか?が大切だと痛感してます


 みんなが平等に「活かされる」
 本当の「生きる喜び」にあふれた社会・世界を
 つくっていくために、
 「戦争をとめられる力」を、まず心の中に養っていきたい・・!
 そのためには、「まずは、知ること」
 ショックな現実を知って、
 心が動けば、人は、必ず、その後、動き出す。


 「過去、日本が、世界に対して、とりわけアジアにどれだけの加害をしたのか?」
 目を覆いたくなる悲惨な事実を、 私たち戦後世代が、きちんと知ること。
 それが、過ちを繰り返さないことにつながると、信じます


 「魔法の9」は戦争をとめる力となれるよう、これからも
 戦争体験者との出会いを求め、精進して参ります
 今後も、ご支援・ご声援のほど、よろしくお願いいたします(^^)