2009/07/28

サダエさん


昨日、高松空襲の体験を伺いに、岩部サダエさまを、お訪ねしました
満89歳の岩部さん。
「魔法の9」が新聞に掲載されていたのを見て、新聞社に真っ先に連絡をくださったのが、岩部さん。
「私も、90歳を前に、空襲体験を人に話しておきたい」と。
予定続きで、なかなか伺えずにいて、ようやく昨日お会いできました。
「空襲時に、アメリカ軍は焼夷弾と一緒に、油を蒔いていた。服に油のしみがついていたので
後から気づいた」
「青黄色の、火の玉が落ちてくると、恐くて恐くて、もう、腰が抜けて動けなくなる」
と、空襲時の恐怖を反芻して、再度、かみしめておられました。
岩部さんと戦時をともにされた、ご両親・お兄さん・弟さんは、直接に空襲被害を受けずに済んだが、みな既に、他界。「もう、私1人になりました」と淋しげに呟いたのが、心に残っています。
辛く、むごい体験も、岩部さんの中では、大切な、ご家族の絆と結びついている

「戦争は、絶対にダメです」何度も繰り返された。

2時間半もの長い間、一息に、空襲当時の話をされ、こちらが
体調を心配して、途中休憩を、何度か申し出たほど。
64年前の思いが、あふれでるようだ。
その「話しておきたい」という思いは、どこから、来るのでしょうか?と尋ねてみると
不思議そうな顔をして、こうおっしゃった。

「だって・・・ここと、ここに、あるんですよ。」
自らの頭と、胸を指さした。もどかしそうに。
見渡す限り、火の海となった街。
転がっている死体。
「2度と忘れられない光景だ」と、何度も何度も、小さな声でおっしゃっていた。

お別れする際「こうして、お会いできたのも、何かのご縁です・・!いつでも、お茶を飲みに来てね。私、リハビリの日以外は、家にいますからね・・!」寂しそうに見えた。

また、必ず、顔を出します
ありがとうございます