2012/08/12

広島と長崎から見えてくるもの

今まで、映画「魔法の9」の取材のために
わずかではありますが
広島と長崎の被爆者の方のお話を
聞かせていただきました。

今、この映像を編集していて、とても気に
なる点があります。

被爆者の方が
「当時の政府や軍部」(つまり、当時、
国民の生活で、権力を持っていた人たち)に対して、
または、今の政府に対して、
いぶかしく思っている。
もっと言えば、「憤って」おられるその姿勢だ。

例えば、過去に、日本は中国を
無差別爆撃しましたが
(原爆が投下される数年前より、
数年にかけて、行われています。
日本人でもご存じない方が多いかと思いますが、
歴史的事実であります。→ → 重慶爆撃
※以下に、上記のウィキペディア「重慶爆撃」から、
一部抜粋します。
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重慶爆撃(じゅうけいばくげき)とは日中戦争中
の1938年12月4日より1943年8月23日にかけて、
日本軍により断続的に218回行われた
重慶に対する戦略爆撃を指す。~

●○○○○○●○○○○○●○○○○○●○○○○○
実際に、上記の爆撃の被害を受けられた
中国人の方から、私はお話をお聞きしましたが、
彼らは、当然、肉親の命や家屋を奪った、
「当時、空からの攻撃を行った、日本政府・軍」に向けて
怒りの声を挙げられます。

これは翻って、
日本の原爆の観点から見てみると、
被爆者の方々は、
原爆を無差別に、市民に向けて投下した
「アメリカ政府・軍」に向けて、
怒りの声を挙げて当然なはずです。
(国際法の観点から見ても、
市民に向けた無差別爆撃は違法です。)



・・が、現代の日本の被爆者の方の多くは、
もちろん、アメリカに対して謝罪を求めては
おられますが、声高に、アメリカへ
怒りの声を挙げ続けるというよりは、
「日本政府・軍」に対して、
憤りの念を表出される事が多い・・。
(実際に、アメリカに対して賠償や謝罪を求める為の
提訴は、今も1度も、行われていない。
それに反して、原爆の被害への補償を求めた
日本国・政府に対しての訴訟は、
近年にかけて、何度も行われてきている。)

実はこれは、
私がお話を聴いた、
高松空襲の被災者や、
東京大空襲の被災者の方も同じで
アメリカ軍に対して、もちろん怒りは
持っておられるのですが
(両親や肉親を殺されているその怒りは
癒えることがない・・。)
それでも、先に口をついて出られる言葉は
「当時の日本軍部や政治への怒り」だったりします。


これはどういう事なのか、
日本人は深刻に考えなくてはならないと
前田は感じております。

戦時、日本はどんな国だったのか?
どんな報道がなされており、
市民の生活が、どのように戦争によって
逼迫していったのか?
また、どのような事が生活の中で
強要されていたのか?

過去を見つめることこそが、
希望の未来を創ります。

なぜ、311以降の福島や東北の方が
こんなに苦しんでいらっしゃるのか・・?
必要な援護や措置は取られているのか?

日本人全員が、過去を見つめ
新たな日本を考えていく事が
今、必要なのではないでしょうか?
過ちを繰り返さないためには
過ちの検証が、必要です。

とりわけ、311以降、被災された方々の生活再建
もままならない内に、
日本政府は
平和憲法を変えるための動きを
活発化していたり、
武器を開発し始めたりしているのですが
その動きを見ても、一市民として
疑問を感じてしまいます。
なぜ、災害の混乱に乗じるような形で
大切な事が、議論のないまま、
変えられていっているのか?と。


「魔法の9」は、過去を見つめることで、
新たな未来を考える映画です。

今日も、励んでまいります
編集室より。

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