2012/04/01

自衛隊の「市民監視」は違憲。仙台地裁が賠償命令

皆さま、以下のニュースをご存知でしょうか?

自衛隊が、イラク派遣への反対集会を開いた市民を
監視していた事に対して、
「違憲」判決が、出ました。


集会監視:自衛隊は「人格権侵害」 仙台地裁が賠償命令
(毎日新聞 2012年3月26日 )
 陸上自衛隊の情報保全隊が、
イラク派遣の反対集会などを監視していた
のは憲法違反であり精神的苦痛を受けたとして、
東北6県の住民107人が
国に監視差し止めと計約1億円の賠償
を求めた訴訟で、仙台地裁(畑一郎裁判長)は26日、
「自己の個人情報をコントロールする
人格権を侵害し違法」として
原告の男女5人に計30万円の支払いを命じる
判決を言い渡した。
監視差し止めの訴えは却下した。

 原告側弁護団によると、
情報保全隊の監視差し止めを巡る
訴訟の判決は初めて。

 判決は「各原告の氏名、職業に加え、
所属政党などの思想信条に直結する
個人情報を収集しており、
違法とみるほかない」と指摘した。

 原告側は、情報保全隊が03~04年、
自衛隊のイラク戦争派遣に反対する
集会やデモの参加者を撮影するなど
の情報収集をしたと主張。

こうした監視活動は表現の自由や
プライバシー権の侵害に当たるなどと訴え、
1人当たり100万円の国家賠償を求めていた。

 同隊の活動を巡っては共産党が07年、
同隊の内部資料だとして
集会やデモ参加者の写真などが載った資料
を公表していた。
 一方、国側は内部文書の存在については
認否を留保したうえで、情報収集は自衛隊法に基づいて
行っており、違法性はないと主張していた。【竹田直人】

(以上、転載おわり)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ちなみに、上記の裁判を起こした市民の方々が、
自分たちが監視されていた事実を知った
「内部文書」についてのスクープは、
以下の、新聞赤旗の記事だ。
↓ ↓ ↓
2007年6月6日 新聞赤旗の記事

驚くことに、上記記事では、
自衛隊が、イラク派遣以外にも
あらゆる市民団体の行動を監視・情報収集を行い、
記録していた、という事が判明している。

なんと、
「医療費負担増の凍結・見直し」の運動
「年金改悪反対」の運動、「消費税増税反対」の運動」
又高校生の行動までをも、
日常的に、監視・記録していた事が分かってしまった。(><)

☆ちなみに、監視されていた団体は → →こちら


さて、上記の毎日新聞記事の
最後部に、国側の弁明がありますが、この
「自衛隊法に基づいており、違法性はない」
という主張。
つまりは、今回の個人監視も、
国側にとっては、別段、特別な事ではない事
を、意味してしまっている^^;
恐らく、「市民運動に対する監視」は
継続して今も行われていると見て
良いのではないでしょうか?
(今なら、原発に関する運動でしょうか)


ここで少し、補足しておきますが
前田がこういう記事を引用したり、
お話会でこういう話に触れる度に

「前田さんは、反自衛隊なのですね!」
「自衛隊の存在を、否定しているのですね!」
と、捉える方々が、います。

・・が、それは、私から見ると
ちょっと極論過ぎです。

上記の文を読み直していただいても
お分かりのように、
「賛成」とか、「反対」とかに関しては、前田は
一言も申していないのです。

上記のニュースを皆さまと共有したいと
思った理由は、
「普段、なかなかメディアで
とりあげられない、自衛隊という組織の
一端が如実に見える」貴重な報道だと
思ったからです。

組織には、あらゆる立場や役割・
システムがあり、
あらゆる角度から見る事によって
その本質が見えます。

例えば、自衛隊の最高指揮権は
「内閣総理大臣」であり、
最終的には、
自衛隊の行為の最高責任は
「国」にあるとされます。
この事実を見ても、
例え自衛隊を弾劾したとして、
問題の全てが解決されるとも、思えません。

そして、自衛隊の幹部にも
隊員にも、いろいろな役割、
考え方の方が存在している事も、
ある程度、知っておいて損はないと思います。
(私自身、まだまだ取材や勉強の必要はありますが・・)

自衛隊自体が、なかなかその実態が
明らかになりにくい存在のため
まだまだ知る必要があります。


前田は、被災地にお手伝いに
行ったりした際、
寝食を削って真剣に人を助ける仕事を
されている隊員さんに多く触れ感謝した
経験も少なからずあるのも事実ですし、
経済的な理由で自衛隊に
入隊する若者が、今後増えていくことも
確実だとにらんでいます。
もっと「自衛隊」について
知りたいと思いますし、これからの時代、
は知る事が必須になってくると思います。


「賛成や反対」と自身の考えを主張するのも
よいのですが、
それだけに終始してしまうと、
物事を変えていく、
具体的な力に結びつきにくい気も、しています。

対象をより知って、
「何が問題の本質なのか」?を見極め、
的確な行動をとる事が、
私たち市民の未来をよりよく生きるために、
肝要だと思っています。
「知る」って、力です(^^)
更に知って、考え、行動して参りましょう・・!


さて・・!
自衛隊の上記行為が
「違法・違憲」だと、法の下に、認定された今、
今回の判決を
市民はしっかりと、
知っておいた方が良いと思います。


今や、「これから、9条を変えよう」と一大キャンペーンを
貼っている方々が、政治中枢に、
各自治体に、
マスコミの主筆陣に、
たくさんいらっしゃるのは、もう周知の事実ですので・・。

大切なものを、改めて考え
市民の皆さんで守って参りましょうネ・・!