2011/01/11

hirosima

今日は、
昨年の8月6日に、広島で行われた、
市民団体のデモを撮影させていただいたものを、
チェックしておりました。

この団体は、多くの被爆者の方々と一緒に
精力的に活動を続けておられる。

デモを行う皆さんは・・
「アメリカは、原爆投下を謝罪せよ」
「核を持って帰れ」と声をあげながら、
繁華街を歩いてゆく。

通行人の方々は、遠巻きに見ているか、
無関心に、やり過ごしている。

前田は、通行人の方に、インタビューを試みたが
次々と、断られまくる。
そんなやりとりが、しっかり記録されていて、
当時を思い出して、思わず苦笑。
が、ひとりだけ、答えてくれた青年が、いた。

「このデモを、どう思う?」
「・・立派だと思います。」
静かに、でも、キッとした表情で言い切った様子に
無関心な通行人のイメージから、
前田は不意をつかれ、
予想外な答えに、一瞬、虚をつかれた。
さらに、聞いてみる。

「どういう部分が・・?」
「日本を核を持たせる国にはさせない、とか。
正しいことを言っている、と思う。」と
静かな口調で、答えた。

若者も、ひとりひとり、それぞれ、意見を
持っている。きっと、それは一色ではなく、
それぞれの所感があるのだと、思う。
「最近の若い者は・・」なんて
一口にまとめられがちだけど・・
考えている人たちは、確実にいる。

それを表明したり、話し合って意見を
深め合ったり、学びあう場が、足りないだけ
ではないのだろうか・・?
そういった、語り合い、
市民が繋がっていけるような
そんな場が、今後、もっと増えていくと
いいなぁ、と切に思う。

穏やかそうな、青年がくれたコメントに、
新鮮な感慨を覚えた。
(ちなみに・・
私が映像に関わるスタンスとしては、
「こうあるべきだ」という一定の答えを信奉するところには、
ありません。(まぁ当たり前のことですが ^^;)

今を生きる日本人が、今の世をどう感じ、考えているのか?
そこを、俯瞰的に見れるのも、
映像の役割の一面だと思っているので
どのような意見にも、一定の敬意を表します)

もちろん、前田個人の意見は、ある。
・・が、それと、他者へのインタビューは全く別物。

たとえ、私と正反対の意見でも、
当然、お答え下さったことにまず、
感謝と敬意を表するし、
敬意がなければ、
相手の意見を理解する手がかりが、なくなってしまう、と
そう考えるからだ。。。)