2011/01/19

パキスタンの洪水被害者たち

パキスタンの、洪水の被害者が、
かなり厳しい環境に
おかれている模様です。
氷点下5度での、テント生活。
食糧支援もないとは・・
なんて過酷な・・
私などには、想像もつかない辛さかと。
以下、毎日新聞より、転載です

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パキスタン:洪水復興、治安回復進まず 
被災者に政府不信
(毎日新聞 2011年1月18日) 

パキスタンで昨年7月に起きた
史上最悪の大洪水(被災者約2000万人、死者約2000人)
の被災地、北西部では、
半年を経た今も多くの人々がテント暮らしのままだ。

隣国アフガニスタンの旧支配勢力
タリバンに同調する武装勢力が活発な地域でもあり、
民間団体などの支援は行き届いていない。

治安回復と洪水復興のどちらも
実現できていない政府に対し、
住民の不信感が広がっている。

 首都イスラマバードから約100キロ西
のノウシェラでは、幹線道路の脇に
洪水被災者のテント村が広がり、約2万人が住む。

その一つのカンダラ地区では、
12月末の火事で焼けたテントの跡
が生々しく残っていた。
氷点下5度まで冷え込む寒さをしのぐため、
持ち込んだガスボンベの扱いを誤り、
家族7人が死亡したという。

 このテント村では洪水以降の半年間で
126人の新生児が生まれたが、
生き残ったのは20人だけという。

医療が不十分で、
国連機関などの食糧支援
今月1日までに打ち切られた。

昨年10月、糖尿病の悪化から父を失った
ムクタイルさん(35)は、
「ここで何度葬式があったことか」と話した。
 
パキスタン政府は、被災者に一時金として
約2万円、住宅再建のため約10万円
の給付を約束した。
だが、ノウシェラなどで対象となる20万人のうち、
支払いを受けたのは3万人に過ぎない。

手続きに必要な
住民登録をしていない人が多いためだが、
被災者たちは、「与党とコネのある者だけが
金をもらっている」と主張した。
 
北西部では、08年の総選挙で世俗派政党、
アワミ民族党(ANP)が勝利した。
連邦議会で、ザルダリ大統領を支える
パキスタン人民党(PPP)と連立を組んでいる。
タリバンの卑劣なテロへの反発から
非イスラム政党のANPに期待が集まったためだ。
 
だが、ある地元記者は
「住民の政治不信は深刻で、今選挙があれば、
イスラム政党が勝ってしまう。政情不安が心配だ」という。

被災者たちに当局の対策について尋ねると、
誰もが「アラー(神)に祈るだけ」というだけで口をつぐんだ。
 
北西部は、武装勢力が自爆テロなどを繰り返しており、
内外の支援団体が入れるのは
ノウシェラなどごく一部に限られている。

 ノウシェラの別の被災地
チャオキドラブ村で食料配布や住宅建設、
家畜の提供を行ってきた日本のNGO
「シャンティ国際ボランティア会」の緊急救援担当、
薄木浩一郎さん(32)は、
「ほかの被災地でも支援したいが、
日本人が入るのが許されるのはここしかない」という。
村では銃携帯の警察の護衛を付け、
日暮れ前に首都に戻っている。
薄木さんは、「ここでも、安全だと
誰も自信を持っていうことができない」と話した。

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(以上、転載終わり)